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高いだけじゃダメ!? 「年収の高い業界ランキング」vs.「給与の満足度が高い業界ランキング」 ~キャリコネ調べ高いだけじゃダメ!? 「年収の高い業界ランキング」vs.「給与の満足度が高い業界ランキング」 ~キャリコネ調べ

高いだけじゃダメ!? 「年収の高い業界ランキング」vs.「給与の満足度が高い業界ランキング」 ~キャリコネ調べ

春は新生活の季節。4月から新しい職場や環境で仕事を始める方もいらっしゃることでしょう。あなたにとって、仕事とは何ですか? お金? やりがい? 様々な答えがあると思いますが、やっぱり年収も大切。

でも、収入の満足度はその金額だけで決まるのではないようです。企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」((株)グローバルウェイ)が発表した「給与の満足度が高い業界ランキング」によると、年収の高さに加え、公平感・納得感・安心感も給与の満足度につながるのだとか。では、同社が調査した2つのランキングをご紹介しましょう。

年収の高い業界ランキング

国税庁が実施した平成29年分民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者に関して、男性の平均年収は532万円、女性は287万円、全体では432万円となっています。平均年収に影響する要素はいろいろとありますが、業種によってもかなり異なります。いったいどの業界の平均年収が高いのでしょうか。「キャリコネ」の給与明細投稿をもとに業界別の平均年収(※1)を算出し、ランキングにしました。

※1:本ランキングの平均年収はユーザーから寄せられた情報をもとに算出しており、企業が発表している数値とは乖離がある場合があります。

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●キャリコネによる解説

1位「医薬品」、2位「証券」と、一般的にも高年収のイメージがある業界が上位に入りました。日本企業に比べて外資系は年収が高い傾向にありますが、どちらも外資系企業が多いことが、平均年収の高さの一因となっています。また、「鉱業」「非鉄金属」「石油・石炭製品」など、資源のカテゴリーに分類される業界が多くTOP10入り。技術関連の特殊な能力が必要とされる部署や海外と取り引きを行う部署の年収が概して高く、平均を引き上げているようです。

製薬会社の営業担当はMRと呼ばれ、営業系職種のなかでも年収が高いことで知られています。キャリコネに投稿された給与明細でも、年収1000万円を超えるユーザーが多く見られました。なお、前述の通り外資系が多く、平均年収を引き上げる要因になっています。

2位の証券は、拘束時間が長くハードなぶん年収が高いというイメージもありましたが、働き方改革の影響もあり、以前ほど厳しい労働環境ではないようです。2月17日時点のデータでは、野村證券の平均年収が695万円で、大和証券が509万円。対して外資系のゴールドマン・サックス証券が1997万円、バークレイズ証券が1554万円となっており、日系企業と外資系企業とで大きな開きがありました。

3位の電気機器業界は、パナソニックのような家電系、富士通のような通信系、日立製作所のような重電系と分けられます。大手電機メーカーのほとんどの労働組合は1953年に結成した電機連合に所属しており、労組の要求が通りやすい環境にあります。高年収で知られるキーエンスのほか、日本ヒューレット・パッカード、日本アイ・ビー・エムなど外資系の存在も影響しているでしょう。

●トップ10入りした業界に属する企業の口コミ(キャリコネ)

1位:医薬品業界(平均年収651万円)

「報酬は高いほうと思われます。評価も公平に行われています。ただし、ディレクター以上の管理職はきびしく結果が問われると思います。基本的に裁量労働制ですが、実労働時間がとりわけ長いことはなく、生産性の高さではまちがいなくエクセレントカンパニーの一つであると思います」
(MSD/法務/40代後半男性/年収1010万円/2010年度)

2位:証券業界(平均年収596万円)

「外資のなかでも特に有名な企業であることもあり、そして金融ということで給料は非常に満足でした。会社としては非常に安定しており優秀な方もたくさんいたために、毎日野心の高まる環境下での仕事は非常に楽しかったです。給料査定制度も非常に満足しており、皆さん公平だったと思います」
(モルガン・スタンレーMUFG証券/組織・人事コンサルタント/20代前半男性/年収1100万円/2016年度)

3位:電気機器業界(平均年収576万円)

「3年目くらいまでは、能力とあまり関係なく、自然と上がっていく。大抵の人は、能力以上の給料をもらうことになる。4年目以降は、能力によって昇給が変わってくる。昇給に関しては、上司や所属プロジェクト、部署などの能力以外の運に恵まれることも必要となる。昇給の差はあれど、そもそものベースの給料が高いため、あまり気にする必要はない」
(キーエンス/機械設計/20代後半男性/年収1400万円/2018年度)

4位:鉱業界(平均年収539万円)

「参入障壁が高い業界であり、政府からの支援を得ている業界でもあるため、ノルマに追われるような殺伐とした雰囲気とは程遠い社風である。給与の額も、昨今の高油価の恩恵もあり、世間水準から比べるとだいぶ恵まれた額であり、残業や精神的ストレスの度合いを加味すれば、国内でも相当高い水準のような印象はある」
(国際石油開発帝石/貿易事務・国際業務/30代前半男性/年収900万円/2014年度)

5位:輸送用機器業界(平均年収515万円)

「業界平均から考えると多くの報酬・良い福利厚生を享受できていると思います。現在の環境を考えると他に転職したいと思うようなことはありません」
(本田技術研究所/研究開発/20代後半男性/年収500万円/2012年度)

6位:非鉄金属業界(平均年収508万円)

「海外赴任していました。赴任中は海外赴任手当などもついて数年間でだいぶ貯金できました。僻地にいても日本食や日本の書籍を送料会社負担で購入できる制度があるので助かりました。出張以外でも、単身者は年1回、家族帯同者は2年に1回、会社負担で帰国できる制度があります」
(三菱マテリアル/技術関連職/30代後半男性/年収1000万円/2013年度)

6位:石油・石炭製品業界(平均年収508万円)

「世間比較では仕事内容、レベルを見ても給与は高いと思われる」
(JXTGエネルギー/プラント施工管理/30代後半男性/年収1000万円/2018年度)

8位:ゴム製品業界(平均年収503万円)

「特に報酬に不満はありません。残業代も全て出るし、上場メーカーにふさわしい報酬を得ていると思います」
(ブリヂストン/技術関連職/20代後半男性/年収550万円/2012年度)

9位:化学業界(平均年収493万円)

「報酬は他社さんよりは多いみたいです。また、福利厚生も他社さんよりいいと思います。成績評価のウェイトが大きいですが、プロセスも評価してくれます」
(旭化成/販売促進/40代後半男性/年収750万円/2015年度)

10位:電気・ガス業界(平均年収492万円)

「報酬は平均より高めで、福利厚生が充実しているため、不満に思う社員は少ない。査定は年に1回だが、上司や周囲は常に見ていて、割と細かく評価がされており、文句を言う社員は少ない」
(東京ガス/経理/20代後半女性/年収500万円/2012年度)

給与の満足度が高い業界ランキング

国税庁が毎年実施する民間給与実態統計調査によると、平成29年度の業種別平均年収で最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の747万円、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の253万円だったそうです。

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●キャリコネによる解説

平均年収のランキング結果(前出)と傾向は似ているものの、必ずしも「年収が高い=給与に満足」ではありません。世間の水準より高年収でありながら、「評価制度の不透明さ・不公平感」「同業他社と比較した場合の不満足感」などから、給与の満足度を低く評価しているユーザーも多く見られました。

1位の証券業界は、一般的にも年収が高いことで知られる一方、以前は長い拘束時間や厳しいノルマなどのマイナスイメージもありました。最近では、働き方改革の影響もあり、ノー残業デーを設けたり、長期休暇を取得しやすくしたりするなど、環境は改善されつつあります。目標設定が高いケースも多いようですが、それを達成して高年収を得ていることに満足感を持つ人も少なくありません。

2位は医薬品業界。製薬メーカーのMRは、営業職のなかでも高年収で知られています。MRに限らず概して給与水準は高く、キャリコネに投稿された給与明細でも、20~30代で800万円程度という投稿が多く見られました。

3位は電気・ガス業界。キャリコネの年収ランキングでは医薬品・証券業界に届かなかったものの、仕事量や仕事内容の難易度を考慮すると、十分な額が出ているといった満足感が結果に表れました。なかには自身が「もらいすぎ」と感じているという声も。

●トップ10入りした業界に属する企業の口コミ(キャリコネ)

1位:証券業界(給与の満足度評価:3.38)

「報酬にはかなり満足している。他業種と比較しても、同業他社と比較しても、外資系を除けばトップクラスだと思う。管理職未満であれば、残業はすべて認められるため、若いころは残業代がたまる。住宅補助も充実している」
(野村證券/その他職種/30代後半男性/年収1300万円/2017年度)

2位:医薬品業界(給与の満足度評価:3.28)

「給料は非常に高く、申し分ないと思う。30代で800万円から1000万円はもらえる。基本的には年功序列の傾向が強いが、賞与は評価によって変動し、その変動幅は最近さらに大きくなったようである。評価制度は好き嫌いやついた上司の甘辛もあるが、それなりにFairであるかと思う」
(武田薬品工業/研究開発/30代後半男性/年収950万円/2016年度)

3位:電気・ガス業界(給与の満足度評価:3.22)

「現在の報酬の額は非常に満足している。数年間はほとんど基本給が上がらなかったが、一定周期で大幅に基本給が上がる制度となっているよう」
(大阪ガス/プロジェクトマネージャー /20代後半男性/634万円/2010年度)

4位:輸送用機器業界(給与の満足度評価:3.16)

「給料は、メーカーのなかでは、トップクラスです。十分な額をもらうことができ、仕事量に対しても十分すぎるほどです。大卒なら40歳で1000万円が平均になり、生活するぶんには申し分ありません。査定は公平ですが、そんなに差が出る査定はしません。皆同時に上がっていきますが、優秀な人は出世は早い傾向です」
(デンソー/品質管理/20代後半男性/年収600万円/2017年度)

5位:鉱業界(給与の満足度評価:3.12)

「参入障壁が高い業界であり、政府からの支援を得ている業界でもあるため、ノルマに追われるような殺伐とした雰囲気とは程遠い社風である。給与の額も、昨今の高油価の恩恵もあり、世間水準から比べるとだいぶ恵まれた額であり、残業や精神的ストレスの度合いを加味すれば、国内でも相当高い水準のような印象はある」
(国際石油開発帝石/貿易事務・国際業務/30代前半男性/年収900万円/2014年度)

6位:電気機器業界(給与の満足度評価:3.08)

「噂通り、非常に高い会社です。初任給で600万円はあります。私は、3年目で1000万円を超えました。出世すればかなり若手で高額所得者になれます」
(キーエンス/代理店営業/20代後半男性/年収1400万円/2010年度)

7位:銀行業界(給与の満足度評価:3.03)

「一般的な企業と比べると若いうちから高い水準の給与が得られる。法人・個人に関わらず営業担当の行員は本部勤務者と比べて、所属店舗の業績・個人の成果による賞与の変動が大きい。しかしながら、証券会社のようにドラスティックな増減があるわけではないため、ある程度安定した収入が見込める」
(三井住友銀行/調査・分析/30代前半男性/年収950万円 2015年度)

7位:リース・消費者金融・クレカ・信販業界(給与の満足度評価:3.03)

「メガバンクと近い水準の給料であり、満足できる。標準的な生活は十分可能だと思う。住宅手当もあり借り上げの家族社宅は5万円程度で借りられるので、福利厚生は良いと感じる。転勤時の引っ越し費用も会社負担であり問題ない」
(商工組合中央金庫/営業企画/30代後半男性/年収700万円/2016年度)

9位:保険業界(給与の満足度評価:2.97)

「ボーナスがとても良いです。入社時にも100万円近く支給されました。また人事評価の仕組みもしっかりしており、面談が半年に1回あります。数字的な貢献ができた場合に、評価されます。自ら考え行動し成果を出すことが必須となります」
(東京海上日動火災保険/営業/20代前半女性/年収550万円/2017年度)

10位:化学業界(給与の満足度評価:2.91)

「若手のうちはベースが高いので、残業代も入れるとメーカーのなかでは高めの給料になる。昇級については管理職になるまでは完全に一律。管理職になってからは、早く出世すれば30代後半で1000万円近くもらうことも可能」
(三菱化学/海外営業/20代前半男性/年収500万円/2016年度)

10位:石油・石炭製品業界(給与の満足度評価:2.91)

「世間比較では仕事内容、レベルを見ても給与は高いと思われる。人事評価は管理職手前までは横並びの評価を受けて、同期入社組は同じペースで昇格していく傾向にある」
(JXTGエネルギー/プラント施工管理/30代後半男性/年収1000万円/2018年度)

【(株)グローバルウェイによる調査概要】

「年収の高い業界ランキング」
・調査内容:対象期間中に「キャリコネ」にユーザーから給与明細投稿があった企業を抽出し、業界別に平均年収を算出
・対象期間:2016年4月1日~2018年3月31日
・回答者:キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員
※本記事では、キャリコネの「その他金融」業界を「リース・消費者金融・クレカ・信販」、「その他製品」業界を「一般消費財・印刷」と表記しています
※本ランキングの平均年収はユーザーから寄せられた情報をもとに算出しており、企業が発表している数値とは乖離がある場合があります

「給与の満足度が高い業界ランキング」
・調査内容:対象期間中に「キャリコネ」にユーザーからの評価が寄せられた企業を抽出し、業界別に「給与の満足度」評価の平均値を算出(5点満点)
・対象期間:2016年4月1日~2018年3月31日
・回答者:キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員
※本記事では、キャリコネの「その他金融」業界を「リース・消費者金融・クレカ・信販」、「その他製品」業界を「一般消費財・印刷」と表記しています

【キャリコネについて】
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出典・画像:プレスリリースPR Times
      プレスリリースPR Times
画像   :iStock  ※メイン画像のみ